上野墓地公園の東側にある階段を下り、県立大分上野丘高校に行く途中、律院にある大きな寺院が真言宗の清龍山金剛宝戒です。
元々、大分市羽屋(はや)にありましたが、6代大友貞宗〔さだむね〕が、同地域は低地で水害の恐れがあるとして、徳治2年(1307)、現地に大伽藍を移転したといわれています。
この伽藍の名残が現在の大日堂で、堂内には木造大日如来座像(国指定重要文化財)が安置されています。
後方には、府内城主・日根野吉明が再建した山門と、画聖雪舟の天開図画楼跡の記念碑があります。
本堂には、県指定有形文化財である木造聖徳太子三歳立像、木造釈迦如来立像、木造不動明王坐像が安置されており、同じく県指定有形文化財の銅造如来立像、絹本著色涅槃図〔けんぽんちゃくしょくねはんず〕等もあります。
また、山弥長者(守田山弥之助)が寄進した石燈篭があります。
この寺は、寺格も高く数々の寺宝とともに雪舟が文明2年(1470)に万寿寺の僧桂庵玄樹〔けいあんげんじゅ〕をたよって大分に画楼を建てて住んだという記録があり(画楼の所在場所は不明)、昭和27年に有志によって記念碑が建てられました。
※行基(ぎょうき)・・奈良時代の僧侶。 仏教の布教活動を禁じた時代に、畿内(近畿)を中心に民衆や豪族
などの階層を問わず仏法の教えを説き、人々から崇敬された。
※雪舟(せっしゅう)・・室町時代に活動した水墨画家・禅僧。現存する作品のうち6点が国宝に指定されている。
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