松平忠直(一伯)卿の墓が王子西町の浄土寺境内にあります。
山門をくぐると左手に松平忠直卿の霊廟があり、霊廟の扉や蟇(かえる)股・瓦などに葵の紋が見られます。
墓石は新旧二基ありますが、正面のあたらしいものは改造したもので、「故越前国主従三位参議西巌院殿」と刻まれいてます。
もとの墓石は廟内右側にあり、形式は三重の基礎をもつ無縫塔式八角墓碑で、正面に「逆修西巌院殿相誉蓮友寿位」と彫ってあるので、一伯の生前につくった逆修とわかります。
その形式をはじめ、すべてが左側にある妙昌墓(愛妾お蘭の墓)と全く同じであるから、恐らく妙昌墓を作ったとき同時に作らせたものでしょう。
寛永初期作で形式的にはあまり類をみない珍しい墓碑です。
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