松平忠直は徳川家康の孫で、13歳で越前国北庄(福井)藩主になった人物です。大阪夏の陣に大きな軍功を挙げましたが、少ない恩賞に不満が募ったこともあり、酒色におぼれて参勤交代を怠たり、家臣や領民を殺害するなどの乱行が目立つようになったといいます。幕府は、他の大名へのみせしめもあって、1623年に忠直を処罰し、萩原(現在の大分市萩原)に配流しました。3年後、津守(現在の大分市津守)に居館が造られ移り住みました。次第に神仏を信仰して心の平安を取り戻すようになり、津守の熊野神社や霊山寺などに心を寄せ、寄進や再建に尽くし、平穏な家庭にも恵まれて、1650年に56歳で逝去しました。
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